USB Type-Cコネクタのピン配置
定義
USB Type‑Cは、表裏どちらの向きでも挿せる小型の24接点コネクタです。同じコネクタでUSB 2.0、USB 3.2、USB4、給電、および一部の代替モードを扱えます。ただし、形状だけで特定のデータ速度、映像出力、充電電力が保証されるわけではありません。使用する機能には、両側のポートとケーブルが対応している必要があります。
レセプタクルとプラグの正面図
レセプタクル(ソケット)
プラグ
どちらの図も嵌合面を正面から見た図です。そのため、プラグとレセプタクルを向かい合わせると左右の位置は反転します。フットプリントを確認するときは、見かけ上の位置だけでなくA/Bの接点識別子を使用してください。
レセプタクルにはCC1とCC2があります。ケーブルのプラグは一方をCCとして使用し、電子マーカー付きケーブルやアクティブケーブルの給電のために、もう一方をVCONNとして使用する場合があります。VCONNは、ケーブルを通る別の設定チャネルではありません。
レセプタクルのピン配置 — 24接点
信号グループ: 電源 · グラウンド · USB 2.0 · 高速差動ペア · 設定 · サイドバンド
| A側ピン | 信号 | 機能 | B側ピン | 信号 | 機能 |
|---|---|---|---|---|---|
| A1 | GND | グラウンド帰路 | B12 | GND | グラウンド帰路 |
| A2 | TX1+ | 高速ペア1、正極性 | B11 | RX1+ | 高速ペア1、正極性 |
| A3 | TX1− | 高速ペア1、負極性 | B10 | RX1− | 高速ペア1、負極性 |
| A4 | VBUS | バス電源 | B9 | VBUS | バス電源 |
| A5 | CC1 | 設定チャネル1 | B8 | SBU2 | サイドバンド信号2 |
| A6 | D+ | USB 2.0データ、正極性 | B7 | D− | USB 2.0データ、負極性 |
| A7 | D− | USB 2.0データ、負極性 | B6 | D+ | USB 2.0データ、正極性 |
| A8 | SBU1 | サイドバンド信号1 | B5 | CC2 | 設定チャネル2 |
| A9 | VBUS | バス電源 | B4 | VBUS | バス電源 |
| A10 | RX2− | 高速ペア2、負極性 | B3 | TX2− | 高速ペア2、負極性 |
| A11 | RX2+ | 高速ペア2、正極性 | B2 | TX2+ | 高速ペア2、正極性 |
| A12 | GND | グラウンド帰路 | B1 | GND | グラウンド帰路 |
シェルはケーブルのシールド/筐体への接続部です。TX/RXの表記は標準化されたコネクタの名称に従います。ポートコントローラと高速信号用マルチプレクサが、挿入方向と動作モードに応じて使用するペアを切り替えます。
各信号グループの役割
- **VBUSとGND:**それぞれ四接点で電源電流を分担し、低インピーダンスの帰路を形成します。規格に適合する設計では、対応する接点をすべて接続する必要があります。
- **D+とD−:**USB 2.0のペアはレセプタクル上で複製され、どちらの向きでも動作します。同名の接点同士をレセプタクルの近くで接続し、長いスタブを避けてください。
- **TX/RX高速ペア:**USB 3.2またはUSB4の通信を伝送し、代替モードで用途が変わる場合があります。通常は挿入方向に対応するマルチプレクサが必要です。
- **CC1とCC2:**接続と向きを検出し、電源供給側/受電側とデータ役割を決め、Type‑Cの電流供給能力を通知します。使用中のCCピンではUSB Power Delivery通信も行います。
- **SBU1とSBU2:**定義された代替モードおよびUSB4の機能で使用するサイドバンド導体です。汎用信号としては使用しません。
- **VCONN:**電子マーカー付きケーブルやアクティブケーブルで必要な場合、プラグの未使用CC接点に供給する電源です。
データ伝送能力
| 技術 | 最大公称データ速度 | 主な使用接点 |
|---|---|---|
| USB 2.0 Hi-Speed | 480 Mbit/s | D+ / D− |
| USB 3.2 Gen 1 | 5 Gbit/s | 高速レーン一本 |
| USB 3.2 Gen 2 | 10 Gbit/s | 高速レーン一本 |
| USB 3.2 Gen 2x2 | 20 Gbit/s | 高速レーン二本 |
| USB4 | 最大80 Gbit/s | 高速レーンと設定/サイドバンド機能 |
USB Type‑Cはコネクタの方式であり、性能を表す名称ではありません。USB‑CのポートやケーブルがUSB 2.0までしか対応しない場合、映像出力に対応しない場合、または同じ形状の別製品より給電能力が低い場合があります。
電圧、電流、USB Power Delivery
| 給電モード | 公称/交渉後の電圧 | 最大電流 | 最大電力 |
|---|---|---|---|
| 標準USB給電 | 5 V | USBモードと機器の状態による | モードによる |
| USB Type‑C電流 | 5 V | 1.5 A | 7.5 W |
| USB Type‑C電流 | 5 V | 3 A | 15 W |
| USB PD SPR | 交渉により最大20 V | 最大5 A | 100 W |
| USB PD EPR | 交渉により最大48 V | 最大5 A | 240 W |
利用できる電圧や電流をコネクタの形状だけで判断しないでください。5 Vを超える電圧にはUSB PDの交渉成立が必要です。3 Aを超える動作には適切な電子マーカー付き5 Aケーブルが必要で、EPRにはEPR対応の実装とケーブルが必要です。
PCB設計の確認項目
- 電源供給側、受電側、または両対応のポート役割を選びます。必要に応じて適切なType‑C/PDコントローラを使い、CC1/CC2に規定のRp/Rd動作を実装します。
- D+/D−と各高速ペアを、実装するUSB仕様のインピーダンス、損失、スキューの制限に従った差動ペアとして配線します。
- コントローラとコネクタのリファレンス設計に従い、方向切替マルチプレクサ、ESD保護、AC結合部品を配置します。寄生容量とスタブを小さく抑えます。
- すべてのVBUSおよびGND接点を、通知する電流に見合った幅の銅箔で接続します。選んだ役割に必要な過電流、過電圧、放電の保護を追加します。
- シールドと筐体の接続はEMC設計に基づいて決め、信号グラウンドの代わりとして安易に使用しないでください。
- コネクタのフットプリントを製造元のデータシートと照合します。シェルの固定端子、ミッドマウント形状、接点番号は部品によって異なります。