ツェナーダイオード計算ツール
入力電圧と負荷電流の両端条件からツェナー型シャントレギュレータを設計し、実用的な直列抵抗値と各部品の電力損失を確認します。
入力電圧範囲
ツェナーダイオードのモデル
計算式
確認する直列抵抗値
入力電圧が最小、負荷電流が最大で、抵抗値がプラス側許容差にあっても、必要なツェナー電流を確保できます。
入力電圧が最大、負荷電流が最小で抵抗値がマイナス側許容差にあっても、ツェナーダイオードの損失電力は定格以内です。
選択した値は、このモデルでの2つの直流最悪条件を満たします。
動作限界条件の解析
1行目は抵抗のプラス側許容差を用い、最小入力電圧と最大負荷で電圧安定化を確認します。2行目はマイナス側許容差を用い、最大入力電圧と最小負荷でツェナーの損失電力を確認します。
これは理想的な直流シャントレギュレータの計算です。設計確定前に、ツェナーの許容差、動的インピーダンス、温度係数、パッケージのディレーティング、抵抗器の使用電圧、起動時とサージ時の電流、故障条件を各部品のデータシートで確認してください。
シャントレギュレータガイド
ツェナーダイオードを2つのワーストケース条件で選定する
ツェナーダイオードと直列抵抗器で基準電圧や小電力の安定化電源を作れます。最大負荷時はツェナー電流が不足し、軽負荷時はダイオードの損失が増えるため、単純な分圧計算だけでは選定できません。
計算方法と前提条件
このツールは、直列抵抗の後段にシャント接続したツェナーダイオードをモデル化します。Vinが最小・ILが最大の条件では、抵抗値が正の許容差にあるときにもツェナー電流が入力した最低動作電流に達するか確認します。Vinが最大・ILが最小の条件では、抵抗値が負の許容差にあるときの余剰電流でもダイオードの定格を超えないか確認します。提案値は、この公称条件の範囲内で最大のE系列抵抗値です。最悪条件での安定化を保ちながら無駄な電流を抑えます。
確認すべき入力値
入力電圧範囲
電源の許容差、電池残量による変化、低周波のリップル、持続的な過電圧を含め、回路が実際に受ける入力電圧範囲を使ってください。公称値だけでは不十分です。
ツェナー電流と負荷電流
ツェナーの最低動作電流は試験電流だけで判断せず、データシートのI-V曲線または安定化領域から求めます。負荷が切り離されたりスリープしたりする場合は、最小ILをゼロに設定します。
定格電力とパッケージ
実際の放熱条件で許容される電力を入力してください。ダイオードの公称定格は、特定の銅箔面積、周囲温度、パルス幅を前提とする場合があります。
推奨手順
- 1入力電圧と負荷電流の最小・最大値、公称VZ、ツェナーの最低動作電流、部品の定格電力を入力します。
- 2E系列を選び、提案された抵抗値を使うか、BOMで実際に入手できる値を検証します。
- 3二つの最悪条件の行を確認し、許容差、発熱、サージ、故障時の挙動を選定部品のデータシートと照合します。
検算できる例
Vinが12~15 V、ツェナーダイオードが5.1 V・0.5 W、IZ min = 5 mA、負荷電流が0~20 mA、抵抗器の許容差が5%の場合、安全な公称抵抗値の範囲は約106~263 Ωです。E24系列の240 Ωなら、抵抗が252 Ωで12 V・20 mAのときツェナー電流は約7.4 mAとなり、抵抗が228 Ωで15 V・0 mAのときツェナー損失は約221 mWです。
使用上の注意
この直流モデルは、最低電流に達した後のVZを一定と仮定します。動的インピーダンス、VZのばらつき、温度、ノイズ、容量性負荷での安定性、パルス、突入電流、出力短絡時の挙動は扱いません。シャント型ツェナー回路は主に小電力向けです。負荷変動が大きい場合は、シリーズレギュレータやコンバーターの方が効率的なことが多くあります。
よくある質問
最小負荷が重要なのはなぜですか?
負荷電流が減ると、直列抵抗を流れる電流のほぼ全てがツェナーダイオードへ流れます。通常、この条件が最大損失を決めます。
公称VZを高精度の出力電圧とみなせますか?
データシートを確認しない限り、できません。VZは試験電流で規定され、電流、温度、許容差、ノイズによって変わります。精密な基準電圧には、その用途に設計された電圧リファレンスやレギュレータを使用してください。
参考資料
- 参照資料:選定したツェナーダイオードのデータシート(I-V曲線、温度によるVZ変化、定格電力、ディレーティング)、IEC 60063の標準値、直列抵抗器の過負荷特性。
独自の学習資料です。2026年8月20日に技術的な明確さを確認しました。通電や製作の前には、データシート、適用規格、設計内容を必ず確認してください。