ElectroDesignForgeElectroDesignForge
PCB設計電力とエネルギー

PCB銅箔の厚さと重量

oz/ft²とµmの換算、一般的な銅箔厚、ベース銅箔と仕上がり銅箔の違い、配線・熱設計への影響を解説します。

執筆・技術レビューElectroDesignForge Engineering Team

編集方針を見る

📖 定義

PCBの銅箔は一般に、平方フィート当たりのオンスで表す面積重量(oz/ft²)またはマイクロメートルで表す公称厚さ(µm)で指定します。両者は、加工前の同じ銅箔をおおむね表しており、銅の1 oz/ft²は約35 µmに相当します。


早見表

銅箔重量公称厚さ主な用途
0.25 oz/ft²≈ 9 µm微細ピッチの内層、HDI基板の積層構成
0.5 oz/ft²≈ 18 µm高密度の信号層
1 oz/ft²≈ 35 µm汎用基板
2 oz/ft²≈ 70 µm大電流の電源配線
3 oz/ft²≈ 105 µm電源分配、熱の拡散
4 oz/ft²≈ 140 µm大電流用・産業用基板

中間値の計算にはoz ↔ µm変換ツールを使用してください。


重量のオンスを厚さに換算する理由

PCBの積層構成に記す「オンス」は厚さの単位ではありません。銅を平方フィートの面積に均一に広げたときの質量です。得られる厚さは銅の密度で決まり、PCB業界では慣例的に概数へ丸めます。

thickness (µm) ≈ copper weight (oz/ft²) × 35

逆方向の換算式は次のとおりです。

copper weight (oz/ft²) ≈ thickness (µm) ÷ 35

これは設計時の意思疎通に使う公称値の換算です。IPC-4562Bは銅箔を面積重量と計算上の厚さで規定しています。許容差が重要な場合は、基板製造業者の材料データを使ってください。


元の銅箔厚と完成後の銅厚は異なることがある

内層では、指定した銅箔の厚さは通常、エッチング後の導体厚に近い値です。外層では、スルーホールめっきやパターンめっきの工程で銅が追加されます。そのため、完成後の配線は元の銅箔より厚くなる場合があります。

図面上の用語意味設計上の対応
元の銅箔外層めっき前に積層板にある銅箔積層構成図に明記する
完成後の銅厚めっき後の外層配線に残る銅の厚さ目標値と許容差を製造業者に確認する
ビア内の銅電解析出したビア壁の厚さ配線の銅厚とは別に指定する

たとえば「外層銅1 oz」という指定は、元の銅箔と完成後の銅厚のどちらを指すか不明確です。この区別を製造指示書に記し、発注前に基板製造業者と合意してください。


銅箔を厚くすると何が変わるか

配線の形状が同じなら、銅を厚くすると抵抗が下がります。

R = ρ × L / (w × t)

ここでtは銅の厚さです。幅、長さ、温度が同程度なら、tを倍にすると直流抵抗、電圧降下、抵抗による損失はおおむね半分になります。

一方、厚い銅箔は製造上の制約にも影響します。

  • 細い間隔や配線を安定してエッチングすることが難しくなります。
  • 特に外層では、エッチング補正を増やす必要が生じます。
  • 導体の厚さは電界の形状を変えるため、インピーダンス制御が必要な配線の寸法も変わります。
  • 厚い銅箔は熱を広げるのに役立ちますが、熱設計全体の検討に代わるものではありません。

電流と温度上昇の概算にはPCB配線幅計算ツールを使い、間隔、完成後の銅厚、製造可能な寸法を製造業者と確認してください。


実務上の指定事項

GerberまたはODB++のデータを送る前に、各銅層について次を記録してください。

  1. 元の銅箔と完成後の銅厚のどちらを指定するか。
  2. oz/ft²またはµmでの公称値と、曖昧さを避けるために必要な場合はもう一方の単位。
  3. 層の役割:信号、プレーン、大電流、RF、放熱用など。
  4. その銅箔重量で製造できる最小配線幅・間隔、アニュラリング、基板端と銅箔の間隔。
  5. 必要な完成穴のめっき厚とインピーダンスの許容差。

電流を流す導体では、銅箔重量は多くの要因の一つです。IPC-2152では、配線形状、温度上昇、基板構成、近くのプレーン、空気の流れ、デューティ比も考慮します。


参考文献

  • IPC-4562B — プリント基板用金属箔。銅箔の面積重量と計算上の厚さを扱います。
  • IPC-2152 — プリント基板設計における通電容量の決定方法に関する規格。
  • IPC-2221C — プリント基板設計に関する一般規格。